昆布干しの夏
~こんけんどうエッセイ集 第3集~
昆布干しの夏、届きました!
近藤代表には、新刊エッセイ集『昆布干しの夏』をお送りいただき、恐縮です。
どうもありがとうございました。御礼申し上げます。
オマケに裏表紙には代表のパートナーであるEmmyさんとの連名の揮毫がありました。
今回のエッセイ集は、格段と、装丁も内容もよくなったように思います。
まず、Emmyさんのブックカバーですが、色彩のインパクトも増し印象に残る装丁となっていると感じました。
これならOK、と思わずうなずいてしまいました。
リバーシブルになったブックカバーの裏側がまた最高に素晴らしい。
真っ暗な海と空とそこに輝く月と星たちとアポイの山影と親子岩に昆布干しの海岸。
漆黒の世界観は、見ていて吸い込まれそうな錯覚を覚えました。それと心の安らぎを感じます。
なにか懐かしいような、そんな思いもいたしました。――自分の故郷ではないのですが。
写真家の腕なのでしょうね。とても素晴らしい作品であると僕は思いました。
内容も、「昆布干しの夏」と「サンダース軍曹」と――
面白さではTwoトップの作品でエッセイ集をサンドイッチしたかっこうになっています。
「愛子先生と母」「愛子先生と母」―顛末記、もとても面白かったです。
直木賞作家で、同人誌 随筆春秋の指導者でもある、
――佐藤愛子先生との出会いにまつわる諸々のエピソードが綴られています。
近藤代表のお母さまは、この当時、今の我々とほぼ同年代なのですね。
町議会の議員にでもなったらよかったのに、と思わせるバイタリティーを持ったお方であるのだとか。
さすがは様似育ちの女性です。
ところで、僕は、小学生の頃は、東京は中野区の電々公社の官舎に暮らしていました。
鉄筋コンクリート4階建てが4棟建つ団地でした。
僕の勉強部屋は4畳半で壁には白の水性ペイントが塗ってありました。
部屋には木製の勉強机があったのですが、目の前のコンクリの壁には大きな日本地図が貼り付けてありました。
実は、その地図の北海道のところに、「様似」という地名があるのを、僕は初めから知っていました。
椅子から立ち上がると、ちょうど視線の先に、その「様似」という文字が目に入るからです。
母に尋ねました。
「お母さん、このサマニっていうところなんだけど、人が住んでいるの?」
「そりゃーいるでしょう。あんたと同じ小学生だってそこで暮らしているはずよ、きっと!」
それが近藤代表のことであったとは、その頃、小学生であった僕には知る由もありませんでした。
昨日のことのように覚えているのですが、もう半世紀も前の話です。
人生って不思議なものですね♪
では、本日は、このへんで失礼をいたします。
2023.05.23
随筆春秋 事務局長
正倉 一文
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実際の昆布干しの様子をご覧ください
画像(下)は、「新ひだか町|昆布漁」のページより拝借いたしました。「みついし昆布」というのは、「日高昆布」のことを指していいます。そもそも、みついし、というのは、新ひだか町にある地名です。昆布は、日高地方のほかの地域でも獲れるのにそれではおかしい、ということにもなり、「日高昆布」という名称も使われることになったそうです。
昆布を獲った後、商品として出荷できるように、漁場の浜に干すことを、「昆布干し」というのは、想像に難くないと思います。ただ、浜に直に置いて並べると、昆布が、砂まみれになってしまいますので、砂利が敷いてあります。全長10mにはなろうかという昆布をこうしてきれいに敷き詰めるには、それなりの熟練が必要となるそうです。
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随筆春秋事務局長
正倉一文 作成