トップページのポータル化をさらに進めた。ヘッダーのグローバル・ナビゲーションには、随筆春秋関連の重要なウェブを登録しているが、そこに備わったプルダウン機能を使って、関連するウェブをさらにその直下にぶら下げた。
分かりやすいページとするには「アイコン」も重要だと考え、Awesome.comに登録をし、ユニークなアイコンを使えるように設定した。初めて知ったのだが、ここで提供されるアイコンは、webアイコンである。最近はGoogleがwebフォントの開発に力を入れているが、アイコンまで同じ形式で提供されるとは思わなかった。
CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク|具体的には世界各地に建設されたサーバー格納施設)を介して、クラウド上からユニークなデザインのアイコンが供給される仕組みだ。環境依存のアイコンとは違い、どのデバイス、どのOSでも、基本的に同じアイコンが表示される。
CDNのことは、薄々知っていたが、クラウドの発達した現在ではなくてはならない存在である。最大手はいわずと知れた、Akamaiである。1995年以降2000年くらいまでは、日本のネット環境は「ダイヤルアップ」であった。それ以降はADSLが登場し、飛躍的に通信回線の容量が増えた。そのダイアルアップであるが、Appleが供給していたQuick Timeでアメリカ映画の予告編が配信されていたのだが、トムクルーズの「ミッション・インポッシブル」の正味60秒ぐらいの動画をダウンロードするのに優に1晩はかかった。翌朝になって自分のパソコンで動画全編が再生できるのを確認すると、それだけで大興奮したのをよく覚えている。
そのAkamaiであるが、創業者のひとりが、あの9.11(2001年9月11日発生のテロ事件。ニューヨークのワールド・トレード・センターがテロリストにハイジャックされた米民間航空機の衝突により壊滅した)の時、ハイジャックされた航空機で、犯人であるアラブ人のすぐ前の席に搭乗していた。イスラエル人であった彼はすぐ後ろのアラブ人の言葉を理解し、これからテロ事件が発生することを悟った。彼はイスラエルでは軍隊にいたこともあり、腕に覚えもあったが(ということは海兵隊だったのか?)、ちょっとした誤算もあり、刺殺されてしまった。妻子のある31歳であった。有名な話である。
※以下Wikipediaより抜粋
アメリカン航空11便テロ事件 – 創業者の1人であるダニエル・ルインが搭乗していた。ルインは実行犯の1人の一つ前の座席に座っており、アラビア語を理解できた為にいち早くハイジャック計画を察知した。そしてイスラエル軍の特殊部隊に所属した経験を生かして阻止しようとしたが、数的不利により返り討ちにあって刺殺された。この後当便はワールド・トレード・センターに最初に突入したことで結果的にアメリカ同時多発テロにおける最初の犠牲者とされている。
Akamaiは、アメリカの会社だが、例えば、世界的にも超有名なアドビ社(PDFを供給する会社)などは、イスラエルの会社である。中国のレノボもそうだが、IT産業は設立して軌道に乗ると、本社機能がアメリカに移ることが多い。
webフォントとかwebアイコンは、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)という世界を股にかけたインフラによって成り立っているのだな、というある種の感慨を覚えた。
なお、Akamaiは、アカマイと発音する。語源はハワイ語で、「崇拝されるほど素晴らしい」という意味であるのだとか。ダイヤルアップ時代、僕はそのAkamaiを「赤米」と解釈し、誰かの悪戯か、インチキなのではないかと勘繰っていた。Quick Time配信元のURLの中にその「Akamai」という単語が挟まれていた。
最後になってしまったが、随筆春秋誌の創刊からの一覧表示であるが、理屈からいっても、随筆春秋トップページのトップに表示させるのは間違っていない。随筆春秋は、同人誌をメインとした団体である。ただ、それは広いweb面を必要とするので、随筆春秋ポータルの構成が極めて分かりにくいものとなってしまう。そこで考え貫いて、アコーディオン機能を使うことにした。クリックして開いた時だけ全貌が閲覧できる、という仕組みである。2箇所にCSSを書き込んで、なんとかうまく動作するようになった。深夜開始して早朝までかかった。その際、2箇所のCSS記述を1対1で紐づけるのは、双方のCSSの記述の最後に追記する「クラス」というものによる。クラスとは簡単にいえば、この場合、「お名前」である。「随筆春秋トップページ」と命名した。半角英数記号の方が後々のエラーは少ないのかもしれないが、分かりやすいのでよしとした、汗。
正倉 一文