第二の人生 恩師の教え
中学、高校と野球部に所属し、ずっと補欠ながらも、そこで出会った監督の指導は素晴らしかった。普通の監督は語るだけ。いい監督は選手に問いかけ、自らやってみせる。この監督はさらに、言葉で選手にやる気を抱かせる方だった。
主将に剣豪宮本武蔵の「五輪書」を読ませ、自主的に練習するよう言い渡した。私も借りて読んだが、柱となる「吟味、工夫、鍛錬」は部活動だけでなく、社会に出てからも役立つ人生訓となった。
卒業式の日、「いいか、どんな人生にも打席は回ってくる。準備しておけよ」との言葉をいただいた。その言葉を胸に、定年後は闘志を燃やして第二の人生を生きている。
角田 幸一
読売新聞「気流」2026.3.4



