長編童話の書き方2
小学生にとっての一人旅は、心理的にも怖いはずです。そんな主人公がどうしても愛犬に会いに行きたいと思わせるための理由(理詰め)が必要になります。
たとえば、主人公の性格をひどく内向的にします。友だちもなく、イジメられたりします。そんな時に、橋の下でふるえている子犬を見つけるのです。都会に移った後の少年はウサギの死をきっかけに、別れた子犬に会いたい思いだけがふくらみます。
夏休みも近づいて、両親に相談してもいい返事はもらえません。でも、母親は男の子の異変に気づくのです。
あんなに大好きなお宝(流行のキャラクター・グッズ)を集めることをしなくなった息子が、おこづかいを旅費にあてていたことを知ります。彼は両親を説得して、ようやく旅の資金を得ることができました。
作者が構成を立てるのはここからです。1章から10章までのタイトルを決めてストーリーをまとめます。
・1章 タイトル 10枚 起
・2章 タイトル 10枚 承
・3章 タイトル 10枚 承
・4章 タイトル 10枚 承
・5章 タイトル 10枚 承
・6章 タイトル 10枚 承
・7章 タイトル 10枚 承
・8章 タイトル 10枚 承
・9章 タイトル 10枚 転
・10章 タイトル 10枚 結
各章のあらすじは主人公が愛犬に再会するまでのエピソードの繋ぎにすぎません。
章のつづきに引き寄せられるように、作者が書いたものを「読者が読みたくなるように」書くことがポイントです。
少年が旅先で出会う人たちは、同世代の異性、大人、店の主人とバリエーションに富んだ方が広がりが演出できます。また、少年が目的地に着くまでを妨げる「災難」を盛り込むことも忘れないで下さい。
ラストでは、大きく成長した愛犬が少年に気づき(少し間をあけて)嬉しそうに尻尾を振って走ってきます。その様子に読者は「あの時の小犬だ」と心をときめかせるはずです。
読者を最後まで引きつけるテクニックは、さまざまな児童文学を読んで会得するしかありません。構成表には、旅先で出会う人物のメモやエピソード、台詞なども細かく記しておきます。金銭に余裕があれば「公募ガイド」に掲載されている添削講座を受けるのも上達の早道です。返送された添削を見直すことによって課題作品の完成度が増し、自分では気づかない弱点が克服されます。
浜尾

制作|随筆春秋事務局

