装画&挿絵|Emmy
Photograph|加藤みゆき
(様似町での撮影をライフワークにしているカメラ女子)
風船の女の子
~こんけんどうエッセイ集 第2集~
1. 作品ご紹介
「三億円のおひたし」 | 額面三億円の小切手がおひたしに。 |
「五右衛門風呂とおっぱい」 | 「おーい、近藤クーン。ヤッホー!」大家が造った五右衛門風呂の窓から手を振る女の子。その片方のおっぱいが。 |
「愛の連立方程式」 | 「いやー、ゴールだと思ってテープを切ったらさ、そうじゃなかったんだ。その先があったんだよ。見えないほど遠い先が……」夫婦が妥協につぐ妥協の末、最終的にたどり着いた“愛の不可侵条約”。 |
「風船の女の子」 | 「この手紙をひらったかたは、お手紙をください」京都の小学生が飛ばした風船。19歳になった女の子が筆者を訪ねて東京までやってくる、切ない恋の物語。この作品、のちに大手学習塾の全国公開模試に全文が採用される。 |
2. 作者プロフィール
近藤健はごくありふれたサラリーマン。2000年、40歳を機にエッセイを書き始める。病気を抱えた妻と、幼い娘との生活の中で、文筆家を志す。
すると、書き溜めた作品が、思いがけず賞をとる。そんな近藤健は、会社のホームページの片隅に発表の場を得る。定年退職後はグループ会社に転籍するも、創作への情熱が止むことはない。
作品数は現在300を数える。本名は近藤健。筆名は近藤健と書いて「こんけんどう」と読ませる。なんとも不可思議なペンネームである。
近藤健は、中学を卒業するとふるさと様似町を離れ、札幌のミッションスクールで高校時代を送る。予備校を経て進学したのは京都にある仏教系の大学。大学時代には、同じアパートの学生僧侶から人生訓を授かる。その後就職した東京で28年間を過ごし、北海道にもどって11年目となる。
作品には元妻との闘病記もあるが、一貫してユーモア路線である。エッセイストで随筆春秋代表の故斎藤信也氏や、直木賞作家の佐藤愛子氏らを先達と仰ぎ、文章作法を伝授される。
近藤健には、人生の辛酸をなめた分、ユーモアで人を包み込む、懐の深い作品が多い。ありふれたサラリーマンだが、一風変わった、ある意味けったいな男である。
忠臣蔵とかかわる作品も持ち駒のひとつだ。近藤健の母方の先祖に赤穂浪士の介錯人を務めた人物がいるのだ。
作品集のカバーはリバーシブルとなっている。好みによって表裏のいずれかを楽しめる。装画、挿絵は、近藤健のパートナー Emmy によるものである。
2021年11月の第1集に続き、第2集の発刊となる。今後、第12集まで発刊する。
なお、カバー裏面には、ふるさと様似や、その周辺の風景を取り込んでいく予定だ。様似は、近藤健にとって、人生の原点である。
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