第23回日本血管血流学会学術集会
演題:女性の月経周期に伴う部腹血流の変化と月経前症候群の関連
◆池田真優(医療工学専攻)が上記演題で<優秀演題賞受賞>(2024年11月2日)
※動画は都合により削除しました。以下「動画の内容について」に簡単な説明があります。(代替動画は、ビデオACより)
※池田真優さんは 、池田氏のご息女です。
「動画の内容について」
月経前には、イライラ、腹痛、頭痛、眠気など、様々な不快な症状が現れます。これを、月経前症候群、略してPMSといいます。
PMSには、脳、子宮、卵巣など、体内の様々な部位における血流の変化が関わっていると考えられています。
この血流の測定こそ、医療工学の領域です。医療工学の技術を用いることで、PMSに関わる血流変化を正確に測定し、そのメカニズムを解明することができます。
例えば、超音波ドップラー法では、血管の狭窄や血流速度を測定することで、子宮や卵巣への血流の状態を把握することができます。
また、近赤外分光法 (NIRS)では、脳の血流量の変化をリアルタイムで計測することで、PMSに伴う精神的な症状との関連を調べることができます。
さらに、MRI(磁気共鳴画像診断)を用いた測定を行うこともあります。
これらの測定データは、PMSの発生メカニズムの解明に役立ち、より効果的な治療法の開発に繋がることが期待されます。
2025.1.3
正倉 一文
「池田真優さんについて」
杏林大学で医療工学を学ぶ池田真優さんは今回、研究成果を発表し優秀賞に輝きました!
詳しくは動画をご覧ください。上記「動画の内容について」にも概要を記述しました。
かつては医師中心の医療が当たり前でしたが、現在では、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士そして医療工学の専門家など多様な専門家が協力し合う「チーム医療」が重要視されています。
(※以前は、医師がいなければ、他のすべてのスタッフの存在価値は発生しない、といった趣旨の論文を発表する医師もいました。病院における保険診療ひとつをとっても、国家資格を有する医師という存在があればこそ、というような書き筋です。制度上の正論ではありましたが……)
医学の進歩には、医学研究だけでなく、看護技術、患者の受け入れ体制、リハビリテーション、薬剤投与、画像診断技術、医療機器開発など、様々な分野の連携が不可欠です。
その中で、医療工学は、従来の工学と医学を結びつけ、最新の医療機器や治療法を生み出す、最も新しい学問・研究領域です。
池田真優さんは、卒業後、オランダの名門F社の研究部門に就職が決まっています。世界を舞台に、医療工学の発展に貢献してくれることを期待しています。
2025.1.3
正倉 一文
制作|事務局 正倉 一文