The Zuishun Small Theater
― 随筆春秋小劇場 ―
……札幌小市民芸術劇場ではやんやの喝采の中、いつものように幕が開く
「やっと涼しくなってきたべさっ」
「ほんとだねぇ」
「ええっ」
「ワンッ」
「夏が終わると、アッという間に冬だべ」
「そだね、札幌は10月になると初雪だもんね!」
「そうだぁ~」
「ワンッ」
「この頃は、サンタクロース業界でも、いろいろ大変らしいべさ」
「そんな業界あんの?」
「あるさぁ、うちの甥っ子なんか、毎年、そこでバイトしてるべやぁ」
「あら、そうなの」
「昔と違って、年末恒例の活動するにも、多方面に気を配らないといかんしなぁ」
「なんだか大変だねぇ」
「ワンッ」
「業界では自分たちのことを、サンタクロースならぬ、ソンタクロースって呼んでるらしいさぁ……」
「な、な、な、なんなのさ?」
「ワンッ」
「だから……忖・度・ロ・ー・ス……」
「あ、そろそろ息子を学校に送り出さなきゃ」
「うちも、幼稚園のお迎えバスが来るんだったわ」
「……」
会話文も大切
読者の脳裏に映像が浮かぶような文章を書くことが大切です、と師匠のこんけんどう先生はいいます。
僕の作品はとかく地の文が多く、「壮大な説明文を読まされているようですね」とたびたびダメ出しをされてしまいます。
師匠の師匠である佐藤愛子先生は――
「小説やエッセイでは人物を描くことが一番大切なんですよ」
とおっしゃいます。
それらを実現するには、例えば、会話文を入れることも有効な方法のひとつです。とくに、地域の方言を巧みに織り交ぜると、作品に温かい血が通います。
イラストでは、紳士と2人の若いお母さん、そして1匹の犬が、何か話をしています。
皆さんも想像力を働かせて、ダジャレではなく、四角の中の会話文を考えてみてください!